わたしをこんなに酔わせたのは、誰なの?
そう聞きたいくらい、二日酔いのようなだるさ。昨日はお客様にお誘いいただいて、野毛の焼鳥屋へ。修理品を気に入ってくださったのか、まだまだお願いしたいものがあると言ってくれて、ほっと胸を撫で下ろした。連れていってくださったお店は開店の4時でほとんど満席になるようなお店だった。明るいうちから呑み、まだ明るいうちに帰ってくるような優等生で、たいして呑んでいないのになんでだろうとおもっていたら、生理になった。今朝は夫を車で駅まで送ったあと、ベッドでゴロゴロしながら、「パンがあるから焼いて、スープもあるから。あとは適当によろしく〜」と言って、二度寝していたら、「ママー。送ってー」と言われて、気合いで起きる。本調子ではないけれど、良妻賢母なので夫と娘を車で送迎、そんないつもの雨の朝。
「SHISYAMO」というガールズバンドをよく聴いている、もちろん娘の影響だ。ギター・ベース・ドラムの3ピースバンドなのだがめちゃくちゃ格好良くて、どの曲もほんとうに秀逸で、痺れてしまう。今朝も娘を送りながら爆音で流していた。彼女ができた男の子が、うれしくてうれしくてみんなに言いふらしたくてしょうがない、みたいな歌詞の「僕に彼女ができたんだ」という曲を聴いていたら「全男子にこんな気持ちでいてほしいよね!」と娘がいうので「本当にそうだよね!」と応える。「こんなふうにおもってもらえたら彼女は幸せだよね、浮気とかいちばん最悪だよねー、中途半端な人が一番きらい!」とかいうので「本当だよねー!ママも!好きな人できたら、さっさと別れちゃばいいんだよ!」なんて言いながらアクセルを踏みこむ。占いでも書いてあったが、自分は精神年齢が中学生のまま止まっているらしい。今は娘と話していて楽しいが、あと数年で越されてしまうだろう。もう越されているような気もする。
今日こそいよいよ遅刻か!?というギリギリのところで、あと少しで学校だというのに、車の行き交いに苦戦している車が前方に見えた。娘が「ママ、もうここからは走っていくね!ありがと!」と言って降りていった。どのみち学校の前は通るので、鉢合わせするかな、なんておもっていたら、娘のように遅刻ギリギリの学生はたくさんいた。
チャイムが聞こえたのか、車内からはよくわからなかったが歩いていた中学生が一斉に走り出し、次から次に横断歩道を走って渡りだした。列は、ずっときれいない。わたしはそれを、車内から見ていた。その光景は、霧雨の中を渡り鳥が海を渡っていくような感じでものすごく美しく、ちょっと泣きそうなくらいにきれいだった。そしておもった。ああ、こうして子供は巣立っていくんだ、格好いいな、と。足の遅い娘は集団の後ろの方にいた。途中で友達を見つけたようで、笑顔で声を掛けていた。お友達を覗き込む角度、上がった口角、揺れたポニーテール、その全てが信じられないくらいにかわいかった。こんなに目の前に止まっているわたしの車に気づくことはなく、ニコニコと仲間と走り去った娘の、揺れるバックパック。朝からめちゃくちゃいいものを見せてもらった。子供はどんどん、離れていったらいい。飛びたいところを自分で見つけるまでは。それまでは、親鳥がちゃんと見守っていくよ。心から、そんな気持ちになった。