ほんとうに楽しかったときって、たいていはカメラロールに写真がない。「写真撮っておこ」っていう意識が、頭から抜け落ちちゃうのかもしれない。いつか見返すときのためよりも、誰かに見せるためよりも、今この瞬間がたのしいってなるんだとおもう。昨日もそういう夜だった。
父がお世話になっているのは新宿区の施設で、おおきく体調を崩したときは、区内の大きな病院に搬送される。昨日はその退院の日で、朝から東京へ。退院手続きなどなど。施設の方も来てくださっていて、わたしも一緒に送迎車に同乗させてもらった。ケアマネージャーという肩書きの施設の男性は、わたしと同世代だった。とても雰囲気の良い格好いい人で、どうしてこのお仕事を選んだのかとかを聞いたりしていたら、あっという間に父の施設に到着。皆さんが暖かく迎え入れてくれて、パパよかったねとあったかい気持ちだ。「ことりさんて褒め上手なんですよ」と、一人の女性スタッフが教えてくれた。「いいねえ」「上手だねえ」とかよく言ってくれるそうだ。そういうことが聞けて、じんわり嬉しかった。父の部屋に置いてあるレコードプレーヤーの横からレコードを選んで、ジャケットを入れ替えて、施設を後にした。バスで、閉店間近の『DUG』へ行ったが長蛇の列だったのであきらめて、世界堂本店とオカダヤ本店をじっくりみて、早い夕方から辻堂へ。
昨日はロガーの末綱さんとフィルソンズの山森さんとわたし、三人で呑み会。その昔、一緒の会社で働いていたという二人は先輩と後輩らしい。その名残は少ないけれど、彷彿させるものは確かにあって、それが、なんだかとてもよかった。そして、二人ともめちゃくちゃお酒を呑む人だということがわかった。笑っているうちに、目の前はビール、ボトルの白ワイン、別のボトルのオレンジっぽいワインと、グラスが三つになっちゃってた。呑むことを『部活』と呼んでいるわたしにとって、昨晩の遠征試合の相手は強豪校であった。まあまあな千鳥足で帰宅。
先輩は後輩がだいすきで、後輩も先輩がだいすき、というキャッチボールが延々に続く微笑ましさ。後輩の真面目な話に、想像の斜め上をいく返答をする先輩に爆笑したりして。男子っていいねえ、ちょっとバカなところが最高だねって感じだった。ほんと、笑いが止まらなかった。5時から呑んで、最初は7時に帰るつもりが、まさかの9時を過ぎていた。途中、わたしが着ていた既製品のシャツも褒めてくれて、昨日は褒め合う会だったのかもしれない。わたしは親譲りで、すごく人を褒めるほうだとおもう。そうやって育ったから、割とそれがスタンダードなのだけど、昨日の二人もそんな感じで、普通に褒めあっていた。褒められて嫌な気持ちになる人はいないし、人が褒められているのを聞いているのもまた、気持ちがいい。こういう人をこの世に産んでくれた、きっと会うことがない彼らのお母さんたちにもありがとうございますって、途中ふっと、おもった。男の子を産んだり、育てたり、ちょっとしてみたかったな。最近よくそう思うのは、きっと優しい男性がまわりにおおいからだとおもう。
ばかだねっていいながら、わたしたち女子は笑っていたい。男子はずっと、ばかでいてほしい。賢くなんてならなくていい。優しいばかがいちばん。ねえ、これって褒めているんだよ。